だ である調の問題点について

Oxford Languages が提供するグーグル日本語辞書の定義では,だ である調の正式名称は 常体 とされ,文末に「です」「ます」などの丁寧語を用いない、普通の口語の文体 のことをさす 1) .

1)https://www.google.com/search?q=%E5%B8%B8%E4%BD%93%E3%81%A8%E3%81%AF&sca_esv=f029978abfa512cb&hl=ja&biw=1389&bih=630&ei=68s3Z-m0D73a1e8PtL2WqQ0&ved=0ahUKEwip1rmast-JAxU9bfUHHbSeJdUQ4dUDCA8&uact=5&oq=%E5%B8%B8%E4%BD%93%E3%81%A8%E3%81%AF&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiDOW4uOS9k-OBqOOBrzIGEAAYBxgeMgUQABiABDIGEAAYBxgeMgUQABiABDIFEAAYgARI2xpQ5QZY9QtwAXgBkAEAmAGJAaABiwKqAQMwLjK4AQPIAQD4AQGYAgOgApYCwgIKEAAYsAMY1gQYR8ICCBAAGIAEGKIEwgIGEAAYBRgemAMAiAYBkAYKkgcDMS4yoAesBA&sclient=gws-wiz-serp

しかしながら,理科系の作文 1) では 『 だ 』と『 である 』は混在させないのが適切であると筆者は考えている.『 だ 』を文末に使用するのは新聞記事を代表とするマスコミが使う文章である.

1) 木下是雄. 理科系の作文技術 1981 中央公論新社 東京

新聞記事の文章は理科系の作文技術においてさえも,わかりやすい文章の模範として紹介されている 1) .筆者が知る限りにおいて,マスコミそれも新聞記者が使う文章がわかりやすい文章とされたのは,本田勝一の日本語の作文技術2) からである.

2)本田勝一 日本語の作文技術 1976 朝日新聞社 東京

日本語の作文技術や理科系の作文技術が出版された頃には,まだ,マスコミへの信頼があったことによって,いわゆるマスコミが使う文章を日本語文章あるいは理科系の文章として手本と考えられたのであろう.

たとえば,活動的だ.の『 だ 』は断言の助動詞である3).断言は理科系の論文としては不適切と考える.理科系の文章は著者の感情はできるだけ排除するというルールがある2).理科系の文章は,事実をわかりやすく,そして,誤解がないように説明することを目的とするからである.したがって,著者の断言を強く表現する 助動詞 だ はつかわないほうがよいということになるのである. 

3)だ デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/word/%E3%81%A0-556047

まとめ

助動詞の『だ』,『見逃せない』,『枚挙にいとまがない』などのような言葉遣いはマスコミ用語であるから,理科系の作文にはふさわしくない.