AI を扱った SF アンソロジー
AI と SF ハヤカワ文庫 JF 日本SF作家クラブ 編 2023 年
生成AI、ChatGPTなどの対話型AI――まさにカンブリア爆発ともいえる速度と多様さで、AI技術は人類文明を劇的に変えようとしている。その進化に晒された2025年大阪万博までの顛末、チャットボットの孤独、AIカウンセラーの献身からシンギュラリティまで、22名の作家が激動の最前線で体感するAIと人類の未来 以上は,amazon による本書1)の説明である.
1) 日本SF作家クラブ 編 早川書房 東京 2023
本書では,作品が ステレオタイプの ショートショート になってしまっており,それそれの作品が持つ『 世界観 』を鮮明に映し出すことができていないように感じる.
同じコンセプトの アンソロジー ポストコロナの SF2) も 19 名の小説家によるアンソロジーではあるが,それぞれがその作品の『 世界観 』を示すことに成功している ことと比べて,残念であると感じる.
2) 日本SF作家クラブ 編 早川書房 東京 2021
カズオ イシグロ による クララとお日様3) も すこし AI (正確には AI 搭載少女型アンドロイド)を擬人化しすぎではあるが,新しい世界観を描くことに成功している.
3)カズオ イシグロ 著 土屋政雄 訳 早川書房 東京 2023
SF作家といえども AI による近未来の世界観を描くのは困難なのであると考える.野田昌宏4)は 『 SF は絵だねぇ』とのべているように,SF に求められるものは 新しい世界観 を描くことである.
4) SF作家,翻訳家,TV ディレクタ,経営者
まとめ
AI による近未来の世界観を描くのは困難である.